さらくのクルージングレポート
写真はクリックすると拡大します。
Date: 5月9日 日曜 09:39:31
五島クルージングに出航。
一週間の予定で、平島の南風泊漁港を手始めに反時計回りで五島一周の予定。
午前六時に出港、八時には巡視船三隻が上五島方向へ追い抜いて行きました。
また密航船警戒でしょうか。

八時ごろまでは五ノットくらいの風が吹いていたのに現在、海は鏡状態。機走してい
ます。
携帯がつながれば、またメールを送ります。
Date: 5月9日 日曜  20:26:55
十三時、平島南風泊港着
今日は凪で楽でした。
五島へ来る時はいつも荒れており、ここにも避難するため入ったことがある。
前回来たときに御世話になった漁師さんは留守。
空いている岸壁に横付けさせてもらう。
玉ねぎをかたづけているおばさんと話をしていたらお茶を出してくれた。
漁師はウニを長崎へ持って行ったのではないかという。
バイクを借りて島の反対側にある平島港を見に行った。
いくらか広いが漁船でいっぱい。

漁から戻った漁師がアラカブを釣ったというので、売ってくれないかと頼んだが
子供に頼まれているからと断られ、そのかわりにべラを二匹もらった。
ちょうど空けてからずいぶん長い間船にのせたままになっていた酒があったので
煮付けにして食べた。鱗が取りきれていなかったが味は良かった。

小船を入れても十隻もいない港で静かでいいが、今年はじめて蚊に刺された。
夏はすごいらしい。今も船内を一匹飛び回っている。蚊取り線香をたいてから寝よ
う。

福江から乗るといっていた友人も来れなくなったので一人旅になった。
明日は野崎島へ行くつもりです。
Date: 5月10日 月曜  22:00:12
午前九時半 南風泊港出港野崎島へ向かう
快晴 波静か 北の風、初め6ノット午後12ノット

到着 午後2時半
のぼりだったので時間がかかりました。野崎島近くで海がめが浮上しているのを見ま
した。
港では岸壁に横付けしています。
ポンツーンには漁船が一隻つけていて、反対側にとめられるが日に数回,連絡船が使
う。
あいかわらず鹿が多い。人が住んでいる所と鹿の生息地域をわけるフェンスの扉を開
けて廃校になった小学校校舎を利用した自然学塾村まで歩いた。
白い砂浜のビーチがきれい。群生している植物からハーブの香り。

漁師さんの話では、ニュージーランドから来たホルムス一家は二晩を過ごしていった
そうだ。
子供たちは裸足で走り回っていたらしい。

今は22時だが風がやや強い。
明日は10時ごろ出港、津和崎瀬戸を通って知っている漁師さんのいる新魚目町江袋
へ向かう予定。

携帯はここで何とか使える状態、江袋からメールは送れないと思います。
金曜か土曜には富江町黒瀬漁港に入る予定。
小値賀町野崎島漁港。写真の奥と左にも岸壁あり。
岸壁に係留の漁船は一隻だけ。
ポンツーンの右側は日に数回だけ、連絡船が利用。

写真をクリックすると拡大します。
野崎島
左の島は新魚目町の前島。
Date: 5月12日 水曜 10:00:38
11日 快晴 北東の風6メートル から10メートル  波高1メートル
野崎島では早朝に釣果、アラカブ一匹。刺身にしていただく。
もう一匹釣ろうとしていると長崎から仕事の電話。懸案だった件で、しばし電話で仕
事。
10時半出港、機走で一時間後に津和崎瀬戸通過。
メインはあげずジブファーラーを70%広げる。
13時すぎ新魚目町江袋入港。 漁船にもやう。
知り合いの漁師さんと一杯やってから別の漁師さん宅で風呂に入らせ てもらった後
食事をごちそうになった。
ヤリイカの子を煮たのが美味かった。 12日 定置網漁船に乗った。
ヤリイカ、ミズイカ、ヒラゴなど、量は少ない。
ヒラゴの刺身、魚の味噌汁をいただく。 50センチくらいのミズイカをもらった。
冷蔵庫用の氷ももらった。
今日は凪で10メートルくらいの海底まで透けて見える。
視界も良い。 まもなく出港して上五島町か若松町へ向かう。

港内では携帯が使えないので、航海中にこのメールを送ります。
新魚目町江袋漁港。
漁師さんがつくった木製ポンツーンがある。
江袋沖定置網で獲れたヤリイカ。
Date: 5月13日 木曜 07:42:12
12日15時 若松町有福島に到着 連絡船用のポンツーンにもやう
15マイルを4時間半かけて来た。はじめ3メートルくらい吹いていた風も途中でや
んでしまった。
日島漁港へ入れるつもりだったが遠くから見た感じでは狭そうで、双眼鏡で周辺を見
ていて このポンツーンを見つけた。
あてずっぽうで来た所だが、日島は昔は栄えたところらしい。
大陸との交流の拠点だったほか、漁業基地として関西や瀬戸内地方との交流もあった
と町が立てた看板には書かれていた。
「想像を絶するほどの繁栄をきわめていた」とは、現状を見ると嫌味なコメントにも
読めてしまう。
今は鹿がいるのでディアパークと呼んでいるほかは漁村の風情。 夕方、来客あり。
定置網の漁師だという二人は東京から来た青年。
ヨットが珍しくて見に来た。もらったミズイカを肴に飲もうと料理しているとヨコ ワ、
ヤリイカ、カワハギの差し入れあり。
一人はスノーボードスクールの校長をやっていたこともあるとかで9時ごろまで船で
飲んだ。
このあたりは複雑に入り組んだ入り江で、風がないと湖にいるような気持ちになる。
朝日が山から出てくるところを「さらく」を入れ込んで写した。
今日は三井楽町嵯峨島へ向かう。25マイル、15時ごろ到着予定。
天候 快晴 無風。

港内は携帯がほとんど使えないので、このメールは沖に出た時に送っています。
若松町有福島
漁協の近くに連絡船用のポンツーン。
朝陽が正面からのぼった。
Date: 5月14日 金曜 09:53:38
嵯峨島へ13日午後到着。風がほとんどなく大部分を機走しましたが
姫島沖から帆走。スピンアップもしました。それでも2.5ノットのスピード。
スピンを一人であげたのは初めてだったので、これくらいのコンディションが最適。
とめた所が生簀だったのでサザエをわけてもらった。
気持ち良くとめさせてもらったお礼に千円払い15個いただきました。
島を半周したら二時間かかりました。
アザミやアサガオのような花がたくさん咲いています。
14日9時出港、荒川港へ向かう。
今日はその近くの昼寝ヶ浦にとまることにするかもしれない。
天候 快晴 北の風 3メートル
Date: 5月15日 土曜 11:40:49
15日10時半 富江町黒瀬漁港に停泊中
天候 晴れ 南の風3メートル 波穏やか
昨日、荒川で温泉に入った。荒川は国際避難港になっている港で台風の時には混
雑する。
今は空いてはいるが、大型まき網漁船4隻がエンジンをかけたまま停泊しているほ
か、 港湾工事もおこなわれておりうるさい。
そのうえ外海は凪いでいるのに地形のせいでここだけ6から7メートルの風が吹いて
いるので 早々に移動することにした。
近くの昼寝ヶ浦には養殖生簀がびっしりなので停泊できそうもない。
玉之浦町大宝漁港へ向かうことにした。
大瀬崎をまわるころには、10メートルちかい突風が後方からきた。
雄大な景色を楽しもうとオートヘルムに操船をまかせていたので大きくヒールした り、
蛇行をくりかえした。
福江島、玉之浦町の大瀬崎。

やはり地形の影響で風が強まったり、波が立ったりするのだろう。
荒れている時を想像するとゾッとする。
江袋でいただいたミズイカは大きすぎて食べきれずにいたが、いたんできたので海に
返した。

大宝漁港は堤防が三重につくられている。
一番外側の空いている所に着岸。 定置網を干しているせいか蝿が多いのが難点。
昨日から携帯の調子が悪い。
感度マークが三本立っているのにほとんど使えない。
五百メートルくらい離れた公衆電話まで歩かなければならない。
玉之浦町、大宝漁港。
店、電話などは遠いが港は空いていた。

福江在住のヨットマンY君が来た。
漁港の片隅にヨットを置くのは肩身が狭いからと、自前のヨットハーバーを一人で建
設中だ。
都会では考えられないが、工事に必要なダンプカーや建設機材をただでもらったとい
う。
廃屋になって取り壊された家の材木をもらってクラブハウスにするそうだ。
手作りのコンニャクをつくるのが仕事で建設工事はズブの素人。
いつ完成するかわからないが、できたおりには寄らせてもらおう。

15日、6時半大宝出港し1時間で黒瀬漁港到着。風なく機走。
航海を始めてから日の出とともに起きるのが習慣になった。
夜は、何もなければ21時ごろには寝ている。 黒瀬は港を広げる工事中。
以前とくらべて倍くらいの広さになった。
漁船は減っているというのにどうするつもりだろう。
知り合いのキビナゴ漁師さん来訪。
「こんなバカなものを買って」と最初は言っていたが、船内に入ると「これは別荘だな」。
土曜は休漁でのんびりしている。
昼間は福江まで行くから夜一杯やろうということに なった。
明日、長崎まで帰ることを考えて今日中に椛島まで行くつもりだったが計画を変更した。
毎日、航海の連続だったので少し休みたいと思っていた。今日は黒瀬でノンビリしよう。
我がヨット「さらく」は、今両側を漁船の中に舫われているが不思議に違和感がな い。
漁師さんはどうやらパチンコに行ったらしい。
富江町、黒瀬漁港。
漁船の間にもやわせてもらった「さらく」。
港を広げる工事がほぼ完了しており、
         ほかにもスペースはある。


追伸:携帯電話が調子悪いのは他の人も同様なので、NTTに問題がありそうです。
このメールは携帯が使えるようになった時に送りますので悪しからず。
Date:5月16日 日曜 08:02:11
16日午前8時 晴れ 無風 波穏やか
皆さんお元気ですか。
ただ今、富江町黒島沖1マイルを長崎へ向けて機走中。

とりあえずお知らせします。
キビナゴをたくさんもらいました。
丸々と太った形のいいキビナゴです。
網で焼くとすごく美味いやつです。
マリーナでおわけしますので、ビニール袋かクーラーボックス持参でおいでくださ
い。
到着予定は18時から19時の間、さらくのポンツーンでお待ちください。
キビナゴ漁は来月から休漁、いまが最後のチャンスです。
黒瀬のキビナゴは美味い、保証します!
黒瀬沖午前3時、キビナゴ漁。
Date:5月16日 日曜 09:48:01 五島灘航行中
富江町黒瀬ではキビナ船団長の御世話になり、温泉へ行ったりとノンビリしました。
この町は、かって珊瑚で栄えたことがあります。
南へ70キロにある男女群島周辺でとれる珊瑚を加工して出荷しました。
珊瑚採取には大勢の人が関わって人口も多かったようです。
しかし千人以上の漁師が亡くなる大海難事故もおきています。
その後珊瑚も枯渇してしまいました。
今はわずかにとれる珊瑚と輸入した珊瑚を加工する店が一軒あるだけです。
興味のある方は新田次郎の小説「珊瑚」をどうぞ。

ヨットを一人で走らせる、しかも沿岸に沿ってというのは結構忙しいものです。
今回は凪続きだから良かったものの、荒れていたらパソコンどころではなかったで
しょう。
静岡方面の方からリクエストのあったキリシタンなどについて、今回初めて知ったこ
とも含めてお知らせしましょう。
最初に行った崎戸町平島にも隠れキリシタンがいたそうです。
漁師さんの話によると、北と南にある比較的大きな集落は真宗だそうですが、
東西の小さな集落は隠れの人たちだったとか。
しかし、教会もなく近所つきあいもしにくいので真宗に宗旨変えしているそうです。

野崎島には今でも教会の建物があります。ただし使われてはいません。
県文化財になっています。
やはり外海町方面からでしょうか、隠れキリシタンが移住しました。
驚くほど辺鄙なところに家、畑をつくって住んでいました。
今、この島に住んでいるのは5から6人のお年よりだけですがカトリックではありま
せん。
港は水深もあり漁船も少ないのでヨットにはいい所です。
島の人たちは一日に数回、連絡船が来る時だけ港にやって来ます。
鹿が何百頭もいます。

新魚目町江袋にはカトリック教会があり、週二回ミサが行われます。
三十数戸の家はすべてカトリック教徒。
港の近くに墓地がありますが、1985年に山中の隠し墓を移したものだそうです。

そのあと寄港した若松町、三井楽町嵯峨島にも教会はあります。
五島列島全体では40以上の教会があります。
迫害を逃れてきた人たちや、開拓のために隠れキリシタンを送りこんだという説もあ
ります。

小生のつたない知識ではありますが紹介させていただきました。
今日も凪でエンジンをフル回転させて五島灘を直進している最中ですから、こんな余
裕もあります。
沿岸に沿った航海では、暗礁や刺し網などの旗、それに行き交う漁船などに四六時中
注意を払っていないといけないので
なかなかこうした余裕はありません。ヨットは優雅というイメージを持つ方が多いと
思いますが、
けっこうバタバタしていることが多いものです。外洋へ出てしまえば話は別ですが。

さて五島列島も後方に遠ざかっていきます。北よりの風が3メートルほどですが安定
して吹いてきたようなのでセールをあげようかな。
江袋では昔、わがままを言う子供に「嵯峨島へつれて行くぞ!」と脅したそうです。
何がでてくるのかわからないほど辺鄙な島とでも思われていたのでしょうか。
行ってみたら花がきれいないい島でした。島にはめずらしく茶髪のお兄ちゃんもけっ
こういるし。
こんなわけで行ってみないとわからんからね。
長崎県の人口が減りつづけているそうだけど、皆一度来てみてちょうだい。
オランダ帆船は沈んだけど、ほかにもいいことあるけん。(長崎以外の方には理解不
能の話題で申し訳ありません)
小生も夢から覚めて現実に戻りマース。

ところでキビナゴ、本当においしいから取りに来てね。
今、長崎まで40マイルの地点。
平均速度5ノットで行くから18時ごろ到着、19時までは船にいます。
Date:5月16日 日曜 16:39:54 伊王島沖
一時間くらい前から北西の風が5から6メートル吹いてきて快調に走っています。
今、船は右舷側に10度くらい傾いて走っています。ヨットでは普通のことです。

おだやかな天候が続き、ゆったりと五島列島を北から南まで航海できました。
こんなにおだやかな中を五島に行ったのは初めてでした。
いろんな人にも会えたし、自然の中で過ごせた一週間でした。
皆さん、小生のメールを読んでいただいてどうもありがとう。
五島はよかところですたい。来てみてくだしゃい。

17時半ごろ長崎のマリーナに到着予定です。
我が「さらく」。
「今回のクルージングでは、知り合いの漁師さんたち
(といっても1〜3回会ったこ
とがあるだけ)
  に御世話になった。

櫓こぎの小船でようすを見に来てくれた人、コニャック
を飲ませてくれた人、弁当を
つくってくれた人、大漁
でもないのにたくさん魚をくれた人。

みなさんのおかげで楽しい旅ができました、ありがと
うございました。

    また、「よろしくお願いしまーす。